今日も足踏み

30代アルバイト男のつまらない独り言

20160408a アニメ『僕だけがいない街』を観た

曇り。


一昨日から見始めたアニメ『僕だけがいない街』を見終えた。原作漫画の前作である『魍魎の』がパッと見暗いだけの印象でしか無かったのでこのアニメもチェックしていなかったが予想以上に良かった。10話までは割と良くある話だが、15年の植物状態から目覚めてからがグッとくる。


良い話部分は一先ず置いといて一番の衝撃はなんと言ってもこの物語のヒロインだとばかり思っていた少女が友達の1人と結婚して子供までいること。主人公が勇気を出して踏み込んでいった結果、命が助かった少女がいて次の命も育んでいく。美談だ。


しかしこれは…正直非常に精神的ダメージを受けた。現実的には割とあり得る話だけれど、王道の恋愛物が好きな僕としては主人公が目覚めるまで誰とも付き合わずに待っていて欲しかった。


これが子供っぽい思想なのは重々承知している。しかし、苦難と戦ってきた主人公が得る対価として見合う物だとはどうにも思えない。主人公がいない15年で仲間たちが各々のやり方で戦っていたのだとしても。


見方を変えて。長く付き合える仲間を作ることが出来た、という点では良かったのだろうか。相手に踏み込んで信じていくことで自分のことも信じて欲しい、という。アニメ中では仲間と共に敵に対峙するシーンが少なかった為かどうにも主人公の孤独な戦いという印象しかないが。


…どうしても腑に落ちない。彼らは戦ってきたとはいえ15年の青春を謳歌し定職にも就いている。主人公の空白の15年間は全くの無意味だったようにしか思えない。母親はいつ目覚めるか分からない息子を介護する為に15年間を費やした。敵である先生も主人公が目覚めることを願い15年間待ち続けていた。母親と先生の15年間に想いを馳せるとどうにも切なくなってくる。


幼女誘拐殺人の動機は蜘蛛の糸が見えるだけだったし、虐待をする親の動機とか八つ当たり以外の何物でもないしモヤッとする部分はあるけど総じて良かった。加代を助けるまでのやり取りは暖かい食卓といい、二人きりで見た夜景といい、すごく良かった。だからせめて、最終回は愛梨の『バカなの?』で〆て欲しかった…。






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